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会長就任のご挨拶

小越 康宏(福井大学)

日本設備管理学会の第19代会長を拝命いたしました。ここに謹んでご挨拶申し上げます。

私は2001年に本学会へ入会して以来、多くの諸先輩方や会員の皆様から温かいご指導、ご支援を賜りながら、監事、理事、大会委員長、代議員、北信越支部長などの役職を務め、本学会の活動に携わってまいりました。このたび会長という重責を担うにあたり、その責任の重さを改めて実感するとともに、本学会のさらなる発展に向け、誠心誠意努めてまいる所存です。

本学会は1989年の設立以来、「ものづくりにおける理論と実践の融合」を理念として、設備管理・保全・診断技術に関する学術研究を推進するとともに、産学官の連携を通じて実用技術の開発・普及に取り組み、我が国のものづくりと社会基盤の発展に貢献してまいりました。2024年には創立35周年という節目を迎え、これまで築き上げてきた成果を礎に、新たな時代へ歩みを進めております。

現在、設備管理を取り巻く環境は大きく変化しています。インフラや製造業、社会設備を支えてきた熟練技術者の高齢化や人材不足が進む一方で、DX、IoT、AI、デジタルツイン、ロボティクスなどの技術革新が急速に進展し、設備管理のあり方そのものが大きく変わろうとしています。

AIをはじめとするデジタル技術は、設備の異常検知や故障予兆診断、保全計画の最適化、さらには熟練技術者の知識継承など、設備管理に新たな可能性をもたらしています。これらの技術を適切に活用することで、設備管理は企業のDXやGXを支える基盤技術として、さらにはSociety 5.0や持続可能な社会の実現に貢献する重要な役割を担うことが期待されています。

一方で、設備管理の現場を支えるのは設備だけではなく、そこに携わる「人」です。設備管理に従事する一人ひとりの安全、成長、働きがいといったウェルビーイングを大切にしながら、現場に蓄積された暗黙知や経験知を次世代へ継承し、人材育成を進めていくことが、これからの設備管理には欠かせません。

学会には、学術・技術の進歩を促進するだけでなく、研究者、技術者、企業、教育機関、行政をつなぎ、多様な知見や経験が交流する場を提供するという重要な使命があります。AIやデータサイエンスなどの新技術と設備管理の融合が進む今こそ、現場・研究・教育・産業界を結ぶプラットフォームとしての学会の役割は、これまで以上に大きくなっていると考えています。

そのため、本学会では今後、次の5つを重点的に推進してまいります。

1.設備管理技術の社会的意義と重要性を広く発信し、持続可能な社会づくりへの貢献を示すこと

2.AI、データサイエンス、デジタル技術を活用した設備管理技術の研究開発をさらに活性化すること

3.本学会が有する知識・技術・データを積極的に社会へ発信し、産業界との連携を強化すること

4.設備管理技術とAI・DXに関する学習機会や議論の場を充実させ、次世代人材の育成を推進すること

5.各支部・委員会・研究会活動をさらに発展させるとともに、国内外の学協会や産業界との連携を一層強化すること

会員の皆様とともに、本学会が設備管理技術の発展と社会課題の解決にさらに貢献し、日本のものづくりと社会インフラを未来へつなぐ学術・技術交流の拠点となるよう努めてまいります。

今後とも、ご支援、ご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

小越 康宏(おごし やすひろ)
福井大学 学術研究院 工学系部門 知能システム工学講座 教授

2001年 金沢大学 大学院 自然科学研究科 博士後期課程 数理情報科学専攻 修了 博士(博士)

1997年~福島女子短期大学(現福島学院大学) 助手
1999年~同上 講師
2001年~富山大学 工学部 知能情報工学科 助手
2004年~福井大学 工学部 知能システム工学科 講師
2012年~同上 大学院 工学研究科 知能システム工学専攻 准教授
2024年~同上 教授 現在に至る。
2025年~北陸先端科学技術大学院大学 教育連携客員教授