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会長就任のご挨拶

陳山 鵬(三重大学)

日本設備管理学会の第18代会長を拝命いたしまして、ここにご挨拶申し上げます。

私は、本学会に1991年に入会して以来、33年間大変お世話になり、本部理事(広報委員会委員長)、副会長、東海支部幹事、編集委員会委員、研究会主査などの役職も経験させていただきました。長年にわたり一貫して、設備安全・安心のための保全・診断に関する理論と基礎技術に関して教育研究を行い、学術的な研究だけでなく、多くの企業や研究機関との共同研究により、生産現場で実用可能な設備診断技術も開発してきました。 

1989年に設立された当学会は、今年(2024年)で記念すべき35周年を迎え、その間に様々な変遷を経てきました。当学会は、“ものづくりにおける理論と実践の融合”のもと,設備管理技術に関して経営、設計、製造、保全、環境、福祉など幅広い専門分野に関連しており、長年にわたりこれらの分野の学術・技術の振興・発展に大きく寄与しています。しかし、近年の社会や産業の情勢変化に伴い、会員増強や学会活動のさらなる活性化など、多くの課題にも直面しています。

高度な設備管理技術は、Society 5.0(次世代社会)やSDGs(持続可能な開発目標)を実現するうえで極めて重要かつ不可欠です。近年の科学技術の進展は、IoT、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、人工知能といった新技術と設備管理との深い融合をもたらしています。これらの新技術を活用することで、設備管理はより精密かつ効率的なものへ進化し、単なるレベル向上を超えて、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するための強力な支援となっています。

学会の主な役割は、関連分野の学術・技術の進歩と普及を促進し、専門知識・情報の交流や共有を図る場を提供することです。そのために、当学会は今後も、会員の皆様のご協力のもとに、以下のように、これまでの活動方針を継承しつつ、設備管理に関連する学会活動をさらに活性化し、会員増強を図ることで、新しい時代の設備管理技術の要請に応える多様な学術活動を推進していく所存です。

1)設備管理技術の意義や重要性を社会に訴える

2)設備管理技術の研究開発活動のさらなる活発化を図る

3)本学会がもつ設備管理知識や情報を積極的に社会へ発信する

4)設備管理技術に関して学びの機会や議論の場をより多く提供する

5)各支部・委員会・研究会活動をさらに推進し、他学協会との連携も進める

陳山 鵬(じんやま ほう)

三重大学 特任教授・名誉教授

1982年 中国江蘇大学機械工学部 卒業

1987年 三重大学大学院農学研究科農業機械工学専攻 修士課程修了

1990年 九州大学大学院農学研究科農業工学専攻 博士課程修了

(農学博士)

1990年 九州工業大学情報工学部機械情報システム工学科 助手

1994年 同上 助教授

1997年 九州大学大学院工学研究科 博士(工学) 取得

2003年 三重大学大学院生物資源学研究科共生環境学専攻 教授

2024年 三重大学 特任教授・名誉教授