第16回 研究会の活動報告

【日時】 平成29826日(土) 10001300


【場所】 TKP大阪梅田駅前ビジネスセンター1C


【出席者】 石黒久人,小越咲子,小越康宏,須河内かずみ,丸山正男,三浦靖一郎,山中康弘,吉岡隆(計8名)


【活動報告】


 今回は石黒様より「重度の『職場うつ』発生要因と、対策としてのドラッカー・マネジメント」というテーマで講演をしていただきました。一人ひとりの強みを生かした職場環境の大切さがわかりました。一番わかりやすい具体例としては、漫画の世界です。世の中には、「物語も作れるし、絵も達者」な方もいますが、そうでない人もいます。「原作付き漫画」というもので、「物語を作る専門家」と「絵を描いて『漫画』という形にする専門家」がコンビを組んでヒット作を生み出すものです。古い作品では、『巨人の星』『あしたのジョー』『キャンディ・キャンディ』などです。近年のヒット作では『デスノート』などがあります。このように、一人ひとりにはそれぞれの個性があり、その人の強みを生かしたマネジメントをすると仕事の成果に結びつけることができますが、その人と合わない仕事をさせると『職場うつ』などになってしまうことがあることがわかりました。


 次に、須河内様より「精神疾患を予防するコミュニケーションとは何か」というテーマで講演をしていただきました。精神疾患や精神障害に関する概論的な話をしてくださり、家庭や学校、地域などが連携して、精神的なサポートをする大切さがわかりました。例えば、学校では、道徳の時間がありますけれども、なかなか心の教育まで踏み込む時間が取りにくい状況ですので、家庭においては、愛情をもって育てることが大切だと思いました。また、家庭においても社会においても幼少期からのコミュニケーションのスキル獲得のための教育、ボランティアなどにおける貢献する体験、訓練は大切だと思います。

 また、家族療法についての講演もありました。産業界では認知行動療法が盛んに行われていますが、最近家族療法も脚光を浴びてきつつあります。禅宗や工学理論も入っていると言われています。方法としては家族をシステムと見立てて本人の生育歴だけではなく、家族全体のコミュニケーションの癖や、家族構成員、家族歴なども面談でヒアリングしてく手法です。家族療法について取り入れることも一つの方法だと思いました。


  研究会の後半は、小越先生からSCOPEの取り組みについて、三浦先生からJSTの取り組みについて、それぞれの経過報告をしていただきました。この2つのプロジェクトは、魅力的であり、今後の展開が楽しみです。


 


報告者:山中康弘