第22回 研究会の活動報告

 【日時】 令和元年5月18 () 13:3016:30 【場所】 福井地域交流プラザ 研修室604

【出席者】 小越咲子、大畑真輝、白﨑久美、武澤友広,南部淳子、野村昌宏, 丸山正男、山中康弘(計8名)

【活動報告】

本研究会で開発・運営を行ってきた就労支援教材「就コミュ!」は平成30年度をもって広報期間が終了し、一つの節目を迎えることができました。今回の研究会では「就コミュ!」に代わる新たな研究会活動のプロジェクトを検討しました。

丸山さんからの話題提供「DX時代におけるものづくり現場の人材育成にかかる課題」からは、発達障害のある人の認知特性がますます活きる時代の到来を感じました。新たな市場のニーズに対応した「強みを引き出す」ための能力開発・環境調整の手法を当研究会においても検討していければと思います。 

大畑さんからの話題提供「発達障がい者の自己理解サポートシステム」(システムの概要は第21回の活動報告をご参照ください)は、就労を継続するために留意すべきポイントの学習を支える「支援者」をテクノロジーでどこまで再現できるかどうかという挑戦にも見えました。当研究会には実践経験の豊富な支援者が参加されていますが、実践現場で障害のある人の自己理解をサポートしている支援者のノウハウが本システムに反映されることも重要なポイントだと思いました。

山中さんからの話題提供「インクルーシブデザイン手法で行う就労支援」では、当研究会で実践してきた就労支援技術の検討における視点を普及する方法論が提案されました。まずは、障害のある人を対象とした就労支援のニーズを把握するためのインタビュー方法を検討する等、普及するコンテンツ自体の検討を研究会で詳細に詰めていきたいと思います。

最後に南部さんからは発達障害のある児童・生徒の保護者を対象としたポータルサイトの開発について提案がありました。発達段階に応じて適切な支援を受けることができる社会資源につなげるための仕組みの整備もまた就労支援につながると思います。まずは、既存のサイトにはない「必要なコンテンツ」の明確化ができればと思います。

以上、令和最初の研究会では様々な方向性から挑戦的な提案が出されました。これらの挑戦が次世代に生きる若者の社会参加を支えるシーズになるよう、研究会でも議論を重ねていきたいと思います。

報告者:武澤友広