第26回 研究会の活動報告

【日時】 令和3年7月31() 13:0015:00

【方法】 WEB会議

【出席者】 白﨑久美、武澤友広,中井昭夫、南部淳子、南保英孝、丸山正男、山中康弘(計7名)

【活動報告】

 令和2年度の活動報告を行った後、「就労アセスメントの課題について」と題して、就労移行前の相談場面において障害者が希望する働き方や本人に適した環境条件等を明らかにし、働く場や支援サービスの選択に関する意思決定を支えるための「就労アセスメント」に関する話題提供を行いました。


 障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14599.html)で検討された就労アセスメントの課題について情報共有を行った後、就労移行支援事業所による就労アセスメント実施マニュアル」(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000084412.pdf)を教材にして就労アセスメントの概要について説明しました。そして、就労アセスメントの視点を共有するためのツールの例として「就労移行支援のためのチェックリスト」(https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/p8ocur0000000z8w-att/kyouzai19-03.pdf)を紹介しました。


 これらの話題提供を踏まえて、下記のような意見をいただきました。


    チェックリストによる評価は「〜ができない」といった否定的な評価になりがちだが、項目文を「〜ができる」といった肯定的な表現にすることで「評価はその人の能力を発揮できる環境条件を明らかにするために行う」という基本的な態度を維持することに役立つのではないか。


    課題の発見だけでなく「ストレングス(長所・強み)」の発見に資するアセスメントを促す仕組が必要である。


    アセスメントで使用される言葉が研究者と現場の支援者、本人の間で共通した意味をもつ情報として機能するような仕組みが必要である。


    複数の評価者による複眼的なアセスメントを実施するためには、評価の根拠となった現象を共有する必要がある。しかし、記録で共有するとなると、記録にかかるコストが大きくなってしまう。アセスメントツールを開発する際には、記録にかかるコストを低減するような工夫が必要である。


    教育から就労への移行を円滑にするために必要な経験として、働く意味の理解を深めるための職業体験を教育段階において確保する仕組みが必要である。


報告者:武澤友広