第29回 研究会の活動報告

【日時】 令和4年7月16() 13:0015:00

【方法】 WEB会議

【出席者】 榎本容子、白﨑久美、武澤友広、南部淳子、丸山正男、山中康弘(計6名)


【活動報告】

 令和3年度の活動報告を行った後、武澤から「障害者の就労支援における自己理解に関する効果的援助要素:ナラティブレビューによる検討」と題して、就労支援において重視されている「自己理解」の支援に関する話題提供を行いました。


 先行研究の知見を取りまとめた結果、自己理解の支援が効果的に機能するための要素として「周囲の人々との信頼関係の構築」「支援者による対象者の理解」「自分と特性が似ている他者の観察」「他者視点の取得」を挙げることができることを報告しました。


 その後の参加者間の議論においては以下の意見が交わされました。


    対象者の希望を受け入れ、実際に体験する機会を提供することで環境との相互作用を踏まえたニーズ形成を促すことができる場合がある


    自己評価と他者評価にずれがある場合は本人を肯定的に受け止めた上で具体的にどこにずれがあるかを視覚的に提示することでずれを受け入れることができる場合がある


    自己理解支援に関する議論においては職業生活への適応を促す自己の特性(長所、短所、興味・関心)の認識に焦点が当てられがちだが、自分が将来どうなりたいかという希望・ニーズの理解・形成にも焦点を当てる必要がある


    自己の希望・ニーズの形成はストレングス(強み・長所)の認識によって促しうる


    多様化するニーズに丁寧に対応するためには、それを受け止める教育システムにおけるシーズ形成が必要なのではないか。


報告者:武澤友広