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                           会長就任のご挨拶

 

一般社団法人 日本設備管理学会 会長
早稲田大学 教授
祥三(たかた しょうぞう)

1978年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了,工学博士.

1978年東洋大学工学部機械工学科専任講師,1980年同学科助教授.

1990年大阪大学工学部電子制御機械工学科助教授.1992年早稲田大学理工学部工業経営学科(現,創造理工学部経営システム工学科)教授.

2009年〜2014年 日本設備管理学会 関東支部支部長
2017年  日本設備管理学会 理事

 
 

日本設備管理学会第15代会長に就任させて頂くに当たって,一言ご挨拶を申し上げます.当学会は,1989年に設立されましたので,今年で満30歳になります.論語に「われ十五にして学に志し,三十にして立つ」とあります.これに従うなら,30年前に「設備管理」という学問領域をスタートさせた当学会は,今日,その学問領域を確立しているということになります.さらに言うなら,学会は当初より学を志して設立されたのですから,それから30年ということはすでに,「四十にして惑わず」の域に達しているはずです.

 このようなことを思ううちに,「設備管理」という分野を改めて考えてみる気になり,「設備」という語を辞書で引いてみました.すると,「ある目的の達成に必要なものを備えつけること.また,その備えつけられたもの(広辞苑)」とあり,役に立つもの(何らかの機能を有するもの)はほとんどすべて含まれるようです.ついでに「設備」に対応する英語として「facility」を引いてみますと,「the physical means or equipment required for doing something, or the service provided by this (Oxford English Dictionary)」とあり,ほぼ上記の「設備」に対応した広い意味を持っています.一方,学会の英語名称は,「Society of Plant Engineers Japan」ですから,「Plant Engineering」の定義を探してみると,Plant Engineer’s Handbook (R. Keith Mobley, Butterworth – Heinemann, 2001) に「Plant engineering is that branch of engineering which embraces the installation, operation, maintenance, modification, modernization, and protection of physical facilities and equipment used to produce a product or provide a service.」とあり,プラントのライフサイクル全般に関わる工学とされています.

 以上の定義によれば,設備管理とは,機能を提供するものすべてを対象とし,その機能が十分発揮できるように,ライフサイクルを通じて管理することと言え,対象の面からも時間軸の面からも非常に広い範囲の技術を含んでいる学問分野であることが分かります.

 このように,当学会は,特定の固有技術に長けた専門家集団というより,「設備管理」という課題を様々な対象について様々な角度から議論する学際研究の場という性格が強いと思います.実際,当学会では,これまで,様々な「設備」の問題を多様な視点から議論してきたわけで,横断的な分野を扱う学会としての存在意義は非常に大きいと思います.ただ,その一方で,昨今の会員数の減少などの状況を見ますと,学会としてのアイデンティティを分かりやすい形で広く社会に打ち出すことが,必ずしも十分にできていなかったように思います.その意味では,「四十にして惑わず」はおろか「三十にして立つ」も怪しいのかもしれません.

 一方,昨今,「設備管理」の分野に,ニーズ,シーズの両面から強い追い風が吹きはじめていると思います.ニーズ面とは,資源・環境,安全・安心,災害に対するレジリエンシ―などの問題です.また,シーズ面とは,言うまでもなく,IoT,サイバーフィジカルシステム.ビッグデータ解析,AIなどの技術の発展です.これらのニーズ,シーズがまさに交差するところに「設備管理」があると思います.このような追い風に帆を上げ,学会活動を活発化し,上記の問題解決に貢献することが今まさに日本設備管理学会に求められていると思います.

 このためには,「設備管理」を軸とし,多様な研究活動や討議を可能にする学際プラットフォームを提供する役割を担っていくことが重要で,それを以下のような方針の下で進めていきたいと考えています.

1)研究開発活動の活発化

・既設の研究会活動のさらなる活性化

・新規研究会の立ち上げ支援

2IoT時代における設備管理技術の普及

・講演会,講習会の開催などを通じてIoT技術応用の基盤となる設備診断技術等の普及

3)設備管理技術に関係する他学協会との連携

・対象,手法の面から様々な学協会に分散して存在している設備管理関連技術や活動の連携を図る場の提供(他学協会との研究会,講演会,講習会などの活動を通じた連携の推進).

4)これらの活動を通じた,本学会の認知度向上と会員増強

・安定した学会の基盤を構築するために,研究会,講演会,講習会などを通じた学会の認知度向上の努力と,それらの機会を捉えた会員増強活動の推進.

 以上,会長就任に当たり学会活動のさらなる活性化とそれを通じた社会への貢献についての抱負を述べさせて頂きましたが,これらの成否は一に会員の皆様方の日々の活動にかかっていると思います.学会ひいては設備管理技術の発展に皆様方と力を合わせていけることを願っています.

 
  

 

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