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                           会長就任のご挨拶

 

一般社団法人 日本設備管理学会 会長
株式会社   デンソー エグゼクティブアドバイザー
早稲田大学 創造理工学研究科  客員教授
小島
  史夫(こじま  ふみお)


1979年 東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了
1979年 日本電装(株)(現(株)デンソー)生産技術部,
以来生産システム研究開発に従事

1998年 大阪大学工学部 工学博士
2009年 アスモ(株)(現(株)デンソー)常務取締役
2015年 早稲田大学創造理工学研究科 客員教授
2017年 (株)デンソー エグゼクティブアドバイザー 
 
 

日本設備管理学会第16代会長に就任させて頂くに当たり,一言ご挨拶を申し上げます.
 今回の就任はコロナで世界中が混乱するタイミングと重なってしまいましたが,この機会を前向きに捉えて,ポスト・コロナに到来する,ニュー・ノーマルな時代を見据えた設備管理の在り方の議論,その構築に向けた学会活動の活性化などに微力ながらも貢献して行きたいと考えています.
 私が当学会へ役員として参画させていただくのは2004年以来16年振りとなります.当時は学会の会費管理を委託していた学会事務センターが倒産し,当学会も存続の危機となり,当時の松本会長以下役員全員が学会の存続に向け一生懸命に活動し約一年で学会運営の立て直し,会員維持を果たしたことを,当時の資料を見て改めて思い出しました.当時は学会活動費ゼロからの再スタート,目先の活動に追われ,先のことなど考える余裕もありませんでしたが,危機だからこそ一体感ある活動が出来,私にとってはこれまで参画させていただいた多くの学協会活動の中でも充実感があった活動でもありました.今回も,大きな変化点の節目に社会情勢の変化とは言え,危機感のあるタイミングで会長職を拝命したのも何かの縁,今度は前向きなチャレンジで,会員の皆さんと新たな思い出を作りたいと思います.今後,皆さんと議論することになりますが,現時点の自分なりの思いを以下に述べさせていただきます.
 私は現在,国内外で日本のモノづくりを次世代の若い人達にも引き継いでもらうための活動に微力ながらも従事しています.第4次産業革命(4IR : 4th Industrial Revolution)で世の中のモノづくりが変化すると言われる中で,ともすれば忘れ去ろうとしている,日本のものづくりが存在感を発した3IR時代の良い点を,遺産として残すのではなく,温故知新,次世代に向けてより進化させ,ものづくりの核としての存在感を持続させて行けないか,そんな思いで活動していますし,賛同してくれる仲間も増え始めています.当学会の皆さんも同じ認識かと思いますが,3IRでは,メカトロニクス,ロボット,リーンなど,ものづくりを合理的に進化させる技術が多く,設備管理技術はこれらの基盤技術の一翼を担って来たのではないでしょうか.私は,IoTCPSAIDXARAMなど新たな英語の略語が乱立する4IRの時代においても,強いものづくりのためにはデジタル技術でも武装した設備管理技術は益々重要であるべきであり,当学会の活躍の場もあるのではないでしょうか.
 当学会の基本は,“ものづくりにおける理論と実践の融合”,これはものづくりにとって非常に重要だと思います.これまでの学会活動を振り返っても,特定の固有技術に長けた専門的な学術研究の場というより,“設備管理”という課題を様々な対象について様々な角度から議論する学際研究の場という性格が強く,この様な横断的な分野を扱う学会としての存在意義は,4IRの時代においても変わることはなく,もっと期待されても良いのではないでしょうか.4IRのホットな話題にデジタルトランスフォーメーション(DX : Digital Transformation)があります.ウィキペディアによると“ITの浸透が,人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる(スウェーデン:Erik Stolterman教授)”,ビジネス用語的には“企業がテクノロジーを利用して事業の業績や対象を根底から変化させる”と書かれており,世間では破壊的イノベーションと言う表現も散見されます.当学会の活動も避けては通れないと思いますが,破壊が目的ではありません.私達にとっては,DXの本質を学び,設備管理の次なる世界を議論することが重要ではないでしょうか.私は,ものづくりは理論として根を張わせたしっかりした幹があり,これにデジタル技術を活用した実践と融合することによって豊かな枝葉を付け,さらに森に育てていくことが日本の基幹産業としての製造業の目指す姿であり,当学会の基本でもあるとも思います.
 夢がある一方で,会員数の減少など活動を進める上での課題も多いとも聞いています.可能であるなら委縮せず,今がチャンスであるなら,学会の有する可能性を最大限引き出し,“設備管理”を軸とした幹となる学際プラットフォームを提供することで,研究を通した学術の発展,その成果の産業界の実務課題への適用に貢献し,結果,当学会が活性化することが出来ないでしょうか.そのためにも,以下の方針で,皆さんと議論し,現実的な施策に落とし込み,一歩を踏み出したいと思います.

1 研究開発活動のさらなる活発化を図る

    IoTAIなどのデジタル技術活用の基盤となる設備管理技術の研究開発活動を活発化する.

    ・各研究開発活動の横断的な連携によるシナジー効果の可能性を模索し,施策に取り組む.

    ・学会の実情を踏まえ,スピード感ある活動を目指し,小さくても活発化の芽を植え付ける.

2 IR世代における設備管理技術の意義を社会に訴える

    ・講演会,講習会の開催などを通じ4IR技術の活用ニーズにも焦点を当てた設備管理技術の紹介を行う.

    ・学会の活動状況をWebページなどメディアを通じ,積極的かつタイムリーにアピールする.

3 設備管理技術に関係する他学協会との連携を進める

    ・設備管理技術に関係する学協会と,研究会,講演会,講習会などを通じた連携を図り,本学会の認知度向上,活動の幅の拡充などに努める.

4)以上の活動を通じた会員増強活動を推進する

    ・安定した学会の基盤を構築するために,研究会,講演会,講習会などの機会も捉え,会員増強活動を推進する.

5 学会の各委員会活動を引き続き推進する

    ・従来から設置されている各委員会の活動の活発化と質向上を図る.

 

 以上,会長就任に当たり抱負を述べさせて頂きました.これらは会員の皆様との一体感ある活動なしには進めれません.コロナの余波で活動し難い環境下ではありますが,皆様と共に議論を重ね,ニューノーマルの時代の設備管理技術の発展に貢献できればと思います.

 

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